ある日、電気屋さんで。
地元のソニーショップへカセットテープを買いに行った。
当時、カセットテープはノーマル以外にクロームテープやSONY独自のDUADなどがあったが、自称オーディオファンとしては、ノーマルテープは使えない。少ない小遣いでは、厳しかったが、クロームやDUADをなんとか買っていた。
特にDUADは、テープの磁性帯の塗布を二層にしたもので、下層に低音域に優れた磁性帯、上層部に高音域の優れた磁性帯を塗布したもの。
さて、お店でテープを買っていると店員さんが、
「こんなのが発売されるんですがどうですか?」
そう言ってショーウィンドから出してきたのが、小型のカセットレコーダー。
小型なのでスピーカーはなく音は付属のちょっと安っぽいヘッドフォンで聴く。
「これ、録音は出来ないんです。再生のみ。」
見ると確かにPLAYボタンと巻き戻し、早送りとストップボタンのみ。
「欲しいと思いますか?」
「いやー、再生だけなんてどうなんですかね?欲しい人いるんですかね?」
「そうですよね。あまり売れないと思うんですけどね。」
数日後、レコパルでその小型のカセットプレーヤーを見つけました。
「WALKMAN」1号機の発売の記事でした。