自称オーディオファンの備忘録

オーディオが好きなおっさんのいろいろな話

文化祭で。

高校の文化祭があった。三年生の時である。

進学校のわりにイベントは多かった。

今年の文化祭ではクラスの友達がバンドをやるらしい。


そんな中、放送部所属の友達が、

「せっかくだから、俺たちもなんかやろうぜ!」

「おいおい、俺は楽器できないよ。」

「違うよ、俺だって楽器はできない。そうじゃなくて、例えば、生録とか。」

・・・生録と言う言葉は知っていたが。

「どうせなら、変わったことしたいね。」

「えっ、例えば?」

「うーん、バイノーラル録音とかさ?

・・・バイノーラルか・・・どうやるんだろう?


早速、本屋で調べてみた。

早い話が人間の耳で聞こえる音を再現できるように、耳の位置にマイクを設置して録音する。そしてヘッドフォンで再生すれば、その場に居たような音場が再現されると言うことらしい。

理屈は大体わかったが、具体的にはどうすれば?


俺たちは市のゴミを一括して処理している収集場所に行った。一生懸命探して見つけ出した物は、マネキンの頭。ちなみに、現在の我家の押入れには、マネキンの頭が沢山眠っている。娘は二人とも美容関係の専門学校に行ったためだが。

さて、拾ってきたマネキンの頭には髪の毛がないもの。それをキレイに洗って用意は完了。


ノコギリを用意して細目の方で前後にわかれるように歯を入れようとした。

「待てよ。どこまで切れば良いか、マジックで下書き線入れた方がいいぞ。」


頭の頂点から耳にかけて切り込みを入れる。耳を挟んで前後に割れるように切断は完了。

・・・しかし、マネキンとはいえ気持ちの良いものではない。


さて同時に拾ってきたウレタンの塊を適当に切って頭の中を埋めていく。前も後も。

さてこれからが重要なところ。古くなったワンポイント・ステレオマイクを分解する。


耳の鼓膜があるであろう場所に左右それぞれのユニットの場所を決める。首の後からケーブルが出るように加工した後、マイクユニットを外して頭を仮組する。


そして家の外に出て、模型屋さんで買ってきたプラモデル用のマットブラックのスプレー缶で塗装する。塗料が乾いた後、大切なことに気がついた。

カメラの三脚に固定できるよう加工を加えた。

マイクユニットを決めた位置に取り付け、マイクが使えることを確認して前後を固定した。


マットブラックにしたことで多少気持ち悪さは軽減したかな?

さあ、本番が楽しみだ。

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