ルビーの指輪
日本のシティ・ポップが見直されていると言う話。
自分のライブラリの中にもそれらしき楽曲はいくつかある。
最初に火をつけたと言われる「真夜中のドア」。
なるほど、こういう曲をシティポップというのか。
とわかった気になっていたが、気になったので調べてみた。
松原みき、竹内まりや、大貫妙子、松任谷由実、大瀧詠一、吉田美奈子、矢野顕子、南佳孝・・・寺尾聰もそうなのか。
寺尾聰といえば、シャドウ・シティだが、最も有名なのは「ルビーの指輪」だろう。
この「ルビーの指輪」は、俺にとっては忘れられない曲である。
学生時代、専門学校の時の話になる。卒業を間近に最後のスタジオ実習があった。
最後と言うこともあり、講師の先生の勤め先である麻布にあるスタジオで行われることに。
いくら最後の実習でも、本物のスタジオでミュージシャンを呼んでレコーディングなど出来るはずもない。そこで行われたのが24chのマルチトラックテープを使用したトラックダウン作業。
1人10分程度だったと思うが、限られた時間内に2chのマスターテープを制作するわけだ。
その時の題材が「ルビーの指輪」だった。
寺尾聰の歌声のみのチャンネルもあったし、各楽器もそれぞれのチャンネルに録音されていたのだが。
なぜか、メインボーカルがもう1チャンネルあったのだ。
講師に聴くとたまにあるらしいのだがボーカルが薄く奥行きや伸びがが足らないときなどに、重ねて再生すると良いらしい。
確かに機械的に加工するよりは、本人の声なので馴染みが良くて自然な独特な響きが得られるのだとか。
「ルビーの指輪」の独特な寺尾聰の声はこうやって表現されたものだったのだ。
妙に納得したことを覚えている。