カセットデッキ
ステレオを買ってもらった1年後、調子に乗った俺は、カセットデッキを父親にねだった。
その頃、親父もたまにステレオを聴くことがあった。
ところが・・・
夕飯時に一杯飲んで、いい気分になってレコードを聴く。決まって、ポール・モーリア。
しかし、酔っぱらっているので、いつも1曲めで眠ってしまう。しかし、俺はその事に文句を言わない。
なぜなら、カセットデッキが欲しいから。
親父は酔っぱらって聴くので大きな音を出してしまう。見かねた母親がヘッドフォンを買うことを進めてきた。
しかし・・・寝てしまうことは変わらず、寝返りを打ったときにジャックが外れて大音量がスピーカーから出ることもしばしば。
そんな親父の機嫌の良いときにタイミングを見てカセットデッキの必要性を説明し無理やり納得させた。
今度は最初から本命のカセットデッキのカタログを見せる。
メーカーカタログの他、レコパルなどの雑誌を読みあさり、Listen 2000と同じメーカー、SONYのTC-K7を選んだ。(後に7シリーズは名機と呼ばれた)
意外にもあっさりと買ってもらえることになる。
ちなみに買ってもらった時期はやはり夏の終わりだった。