自称オーディオファンの備忘録

オーディオが好きなおっさんのいろいろな話

価値観

昨年、親父が他界した。
先日、一周忌が済んだ。
親父の数少ない趣味に、骨董品収集があった。
俺には、骨董品の価値がわからない。母親がどれでも好きなものを持っていけ・・・と。
木彫りのお多福の大きな面、銅製の鏡・・・大きな皿。
その骨董品の一部は、骨董品好きのいとこが持って行った。
母親は、価値がありそうなものは残してあるから、兄弟で分けるようにと。


40年近く前、上京するときに、Listen 2000とカセットデッキTC-K7は親父が使うから置いていった。上京後、社会人になってからは、自分の給与で欲しい機器を購入してきた。
しかし、Listen 2000やTC-K7は、愛着もあったから、いずれまたその音を聴いてみたいと考えていた。


20年ほど前に、弟と親父で実家を新築した。
親父の収集した骨董品は、そのまま新しい家に。
しかし、Listen 2000は・・・処分されていた。


俺にとっては、ガラクタ同然の骨董品。でも、親父には大切な収集品。
そして、20年以上前に買ったステレオ。多分、俺も使わないと思って処分したのだろう。
でも、俺にとっては大切なステレオ。そして、オーディオ機器の骨董品でもある。


いまさら何を言っても始まらないが、価値観というのはこういうことなのか。


俺は処分されたことをつい最近まで知らなかった。きっと、納戸か押入れの奥に眠っていると思っていた。まさか、処分されてもうないとは。


でも、今だから、そう思うのかもしれない。新築するときに
「処分するけどいいか?」そう聞かれたら、きっと
「いいよ」と答えていただろう。


今、家のリビングのラックの中に、もう10年以上、オブジェになったままのプリメインアンプ、チューナー、レコード・プレーヤー、カセットデッキがある。
老後の楽しみにと、そのまま置いてある。


しかし、家族にとっては邪魔なガラクタに思えるのだろう。

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