ビーバーちゃん
かつて、歌番組が全盛の頃、一番観ていたのは、「ザ・ベストテン」だった。
当時から歌番組と言えばアイドル中心だった。
ランキングされても、フォークやニューミュージック部門から出演するアーティストは、ほぼ皆無。
アリスなどは出演していたのだが。
アリスは、叔母がファンだったこともあって母親などは喜んで観ていたことを覚えている。
母親はわりと音楽の趣味が広く、演歌からフォークまで、ジャンルに関係なく良い歌を認めていたと思う。ビリー・ジョエルのアルバムを買ったときも母親が決めた。サタディ・ナイト・フィーバーが良いと行った時も。
そして、ザ・ベストテンを観ていたとき、
「これは売れる。」と言ったのが、ビーバーちゃんこと原田真二だった。
デビューから3ヶ月連続でシングルをリリース。
「てぃーんずぶるーす」「キャンディ」「シャドー・ボクサー」この3枚は、母親が買ってきた。
数年後、原田真二をあらためて聴きなおして感じた。音楽性は凄いものがあるんじゃないかと。
今でも時々聴くことがあるのだが、何か凄い才能が時代の波の間に埋もれてしまっているのでは。
特に好きなのは初期の楽曲になるが「タイム・トラベル」。僅か数分間で時間旅行が出来るようで。
ちなみにこの曲は、スピッツがカバーしている。
そもそもニューミュージックなのに、アイドルのような売り出しかたをしたため、世間では1発屋のアイドルと思われたのではないだろうか?
でも、原田真二自身は、ギターやピアノだけでなくドラムなどもこなす、マルチプレーヤー。
その才能をもっと世間に知らしめることができたなら。
せめて、今夜はタイム・トラベルを聴いて時間旅行でも。