音楽が聴けない
職場に自転車で通勤していたときのこと。
不注意で転倒して怪我をしてしまった。
幸い職場に近かったこともあり、会社の総務の方に病院へ連れていってもらった。診断の結果、右肩の骨折だった。そのまま入院となった。
自宅から家内が着替えなど持ってきてくれた。
入院、即手術・・・と思ったが、手術待ちが1週間。
その後、入院期間が1ヶ月・・・結局、約1ヶ月半の入院となった。会社へ行く体制のまま入院となったので・・・空いた時間に音楽でも・・・というわけにもいかず。
その時はWALKMANで音楽を。しかしそのWALKMANはバッテリー切れ。家内には充電器の場所どころか充電器がどれかもわからない。
時間はたっぷりあるのに何も出来ないもどかしさ。
音楽が聴きたい。音質は二の次。音が出れば何でもいい。何か聴く方法はないものか?
そうだ、ラジオはどこかになかったか?
以前、ラジオの設計をしていというのに、よく考えたら我が家にはクロック・ラジオは数台あったのだが、ポータブル・ラジオは1台もなかった。
病室は大部屋だったので、話をして気持ちを紛らすことは出来たが、眠れない夜はやはり音楽を求めた。音楽が恋しかった。特に点滴の時間など何もせずボーッと過ごす時間が・・・辛かった。
この時ほど、音楽とは心の隙間を埋めてくれたり、沈んだ心を慰めてくれたりする、有り難みを痛感したことはない。
今、こうして好きな音楽を聴けることが実はとても幸せなことなんだ。ということを、ついつい忘れてしまっている・・・
今度入院するときは「お泊まりセット」ならぬ「入院セット」を準備しておかないといけないな。