互換性
モノラルからステレオに移行した時に思ったこと。
「なぜ、FMステレオ放送は、モノラルでも聴けるのか?」
「なぜ、ステレオで録音したカセットテープはモノラルで聴けるのか?」
「なぜ、レコードはステレオでもモノラルでも聴けるのか?」
以前の仕事でラジオの設計をしていたので「FMステレオ放送」がなぜ、モノラルと互換があるのかは、仕事で学んだ。
簡単に説明すると・・・放送局は、和信号(L+R)と差信号(L-R)を送信。
モノラルは和信号のみでモノラル放送。
ステレオの場合は・・・
L信号=和信号+差信号=((L+R)+(L-R))=2Lとなる。
R信号=和信号-差信号=((L+R)-(L-R))=2Rとなる。
よってステレオ放送とモノラル放送は1つの電波で互換性がとれている。
カセットテープの場合はテープ幅3.81mmをまず、A面とB面があるため、2つに分割。そしてさらにLとRに分割。道路でいえば、2車線の上り下りで4車線といった感じ。
磁気ヘッドがモノラルの場合は、2車線を1車線として再生しモノラル信号となる。
逆にモノラル録音した場合は、L信号、R信号とも同じ車線となるため、モノラル再生となる。
では、レコードの場合はどうなのだろう?
これも簡単に説明すると・・・エジソンがロウ管式録音機を発明した時、音はロウ管に対して垂直に記録された。その後、円盤式になった時、音質を安定させるために水平方向の記録方式に変更された。つまり、レコードの溝が左右に振られて刻まれているのが、モノラルのレコード盤ということになる。
互換性をとるには、1本の溝で2つの信号を記録・再生しなければならない。
そこで考え出されたのが、45/45方式と言われるもの。
レコード面に対してL,Rそれぞれが45度傾いた方向に溝を刻む。
すると1本の溝と1本のレコード針でステレオ再生が行えることになる。
モノラル放送とかモノラル再生。若い人にとっては、生まれた時からステレオだから理解できないかもしれないな。
それにしても、人間の耳は左右に2つしかないのに、なぜ上限左右さらに奥行きと3次元的に感知できるのだろう?
普通に考えて左右2chならば、2次元の再生・再現は可能。なのに立体的に人間は感じとる。
いや、人間だけではない。他の動物だって耳は二つしかないのに。