自称オーディオファンの備忘録

オーディオが好きなおっさんのいろいろな話

4cmの魔法

たまに行くレコード店の地下に、同じオーナーのオーディオ専門店ができた。
といってもかつて秋葉原にあった大きなお店ではないが。
しかし、こんな地方で成り立つのか?
何はともあれ、雑誌でしか見られなかったものが、少しだけでも見られ、聴くことができるのありがたい。


結構頻繁に顔を出すのだが、いつも見ているだけ。
さすがにバツが悪くて何か買おうと考えたが、高額な製品ばかり。
何かないかと物色していると・・・カートリッジのシェル・リード線が目に止まった。
レコードプレーヤーのカートリッジを取り付けるシェル内に、カートリッジとトーンアームを接続する4cmほどのケーブルがある。
普段は買った時のまま使う人が多いと思うが、このわずか4cmのケーブルを高品質のものに交換しようというのだ。


そもそもカートリッジには、大きく分けてMM型とMC型がある。
MM型とは、ムービング・マグネットの略であり、レコード針に直結したマグネットがコイルの中で動くことでレコード盤の溝にあった電気信号を発生させる。
起電するためのコイルを大きくすることができるため、出力電流は比較的大きい。


一方、MC型とは、ムービング・コイルの略となり、レコード針にコイルを直結したコイルを固定されたマグネットの中で動く。マグネットに比べてコイルのほうが軽量なため、レコード盤の溝に対して追従性は高くなる。(追従性が高い=再現性が高い)
しかし、コイルを大きくできないため電気信号は微弱になる。当時のプリアンプでMC型に対応できないものがあり、その場合は昇圧トランスなどを使った。


いずれにしてもその微弱な電気信号を扱うため、シェルリードを品質の良いものに変えることは、高音質につながると。


手に取ったシェル・リード線は純銀製の心線で4千円以上したと記憶している。


思い込みなのか、気のせいなのか、真実なのか・・・俺はその4cmのケーブルで高音質になったと、その時は信じた。いや、今も信じている。

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