自称オーディオファンの備忘録

オーディオが好きなおっさんのいろいろな話

人形町のモニタールーム

「大きな音でレコードを聴きたい」こんな欲求を満たしてくれる場所があった。
専門学校のクラスメイトの家だ。彼の家は、人形町にあったのだが、日中や平日は人が多いのだが、休日や平日の夕方を過ぎると、急に静かな街になる。
そんな街に彼の実家はあった。


家を入ると1階は仕事で扱う反物の山があるのだが、階段を上って彼の兄の部屋に入ると・・・そこは、秋葉原のショールームのような風景になる。
正面に存在感のあるスピーカー、JBL4343が。普段はサランネットがついているのだが、音楽を聴くときは外してある。
そして、畳敷きの部屋の片隅には、DENONのターンテーブルがあり、その横にはSMEのトーンアーム。先端にはオルトフォンのMCカートリッジ。
廊下には、木製の棚が並んでいて、その中にレコードが・・・
棚は5つくらいあったと思うが、枚数は1000枚を裕に超えていたと思う。


彼の兄は給料日になると、自転車の荷台に空の段ボール箱を載せて秋葉原に向かうそうだ。
そして帰りにはその箱がいっぱいになるくらいレコードを買って帰ってくる。


専門学校を卒業するとそれぞれがそれぞれ様々な会社に就職した。
秋葉原の電気街の大型店舗や輸入オーディオを扱う会社・・・
輸入オーディオを扱う会社に勤めた知人は、サンプルで扱っている製品を「性能評価」と称して持ち込むこともあった。


夏の暑い日・・・今のような猛暑日は少なかったので、都心といえど夜間の人形町はクーラーが無くてもすごせていた。もちろん窓は開けないといけなかったが。
その状態で、大音量でステレオを鳴らす。人がいないから苦情も来ない。


常にこんな環境で音楽が聴けていれば・・・

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