自称オーディオファンの備忘録

オーディオが好きなおっさんのいろいろな話

Saturday Night Fever

1978年 俺にとっては衝撃的な映画が公開された。

ある日、珍しく母親と買い物に出掛けた。

たまたま通りかかったレコード店に何となく入った。

そこで母親が手にしたのが「Saturday Night Fever」


地元の映画館で上映されてしばらく経っていたが、あいにく観に行くことは出来なかった。

「これ、買おうか?」

「えっ、聴くの?」

「別に良いじゃない。」

買ってもらえるのなら文句は言えない。


暫くして、服を買ってくれると言われて、また母親と買い物に。

また、レコード店の前を通るとショーウィンドに貼ってあるポスターを母親がのぞきこんだ。

「この人、かっこいいね。ジャケットも良い感じ。」


店内に入るとそのジャケットのLPを手に取る。

・・・スーツ姿の男が能面を見つめている・・・


The Stranger/Billy Joel


気になっていたレコードではあるが、まさかジャケットを気に入って買うとは!


この2枚のアルバムは、洋楽を本格的に聴くようになるきっかけとも言える。

カーペンターズ

中学生になって英語の先生からこんな話を聞いた。

「みんな、カーペンターズって知っているか?歌を歌っているカレンは先生が思うに発音がきれい。耳から英語を学ぶにはちょうど良いかもしれない。」


英語が苦手だった俺は少しでもと、カーペンターズを聴くようになった。当時の英語の授業では、英語の発音は先生の発する英語しかなかったから耳から学ぶための苦肉の策だったのかもしれない。


またテレビではソウルトレインをはじめとする海外の音楽番組がUHFで見られるようになった。当然日本語ではないから意味はわからないが、ノリの良いリズムや日本の曲では、感じたことがなかった。

しかし、そのほとんどが聞いたことがない曲ばかり。おまけに曲の詳細もわからない。

残念ながら小林克也がMCの「ベストヒットUSA」は、まだやってなかった。


そんな中、深夜放送でもよく聴いた「キラー・クイーン」どんな歌なのか?誰が歌っているのか?

そんなことは全く関係なく友達同士でも誰かがいきなり指を鳴らすと・・・ちゃんと歌えないけど歌い出す。

そうして徐々に洋楽にも興味を持つようになった。


しかし、レコードは高額。エアチェックはNHKのみ。この頃の俺は洋楽を聴きたくても聴けない、という時期だったのかもしれない。

TC-K7

TC-K7の発売は、1976年だったと思う。

ピアノ式押ボタンのようにメカニカルな操作が主流のなか、TC-K7はプランジャーを採用したことでフェザータッチを実現。

カセットテープのアライメントを少しでも崩さないためにエアーダンパーによるソフトイジェクト。

当時、高音質として登場した、クロームテープやデュアルテープに対応できるバイアスとイコライザーが独立した3段切り替え。ドルビーNRも搭載。

ステレオを使い始めた初心者には宝の持ち腐れになるかもしれないハイスペック。

しかし、これでようやくステレオ・コンポとして必要最低限の機器が揃ったことになる。


NHK-FMでは「ひるの歌謡曲」という番組が、12:15から13:00まで放送されていたが、アーチスト単位で特集され最初に曲紹介をして、後は連続して曲を演奏。つまりオープニングのナレーションを除けば、ほぼ曲のみというありがたい構成であった。

1番組45分というのも、90分片面分となり非常に効率的であった。


FMの受信品質に多少問題はあるものの、こうして本格的なエアチェック生活がようやく始まった。


このTC-K7は、その後、結構無理をさせたがお気に入りの相棒となった。