自称オーディオファンの備忘録

オーディオが好きなおっさんのいろいろな話

カセットデッキ

ステレオを買ってもらった1年後、調子に乗った俺は、カセットデッキを父親にねだった。

その頃、親父もたまにステレオを聴くことがあった。

ところが・・・

夕飯時に一杯飲んで、いい気分になってレコードを聴く。決まって、ポール・モーリア。

しかし、酔っぱらっているので、いつも1曲めで眠ってしまう。しかし、俺はその事に文句を言わない。

なぜなら、カセットデッキが欲しいから。

親父は酔っぱらって聴くので大きな音を出してしまう。見かねた母親がヘッドフォンを買うことを進めてきた。

しかし・・・寝てしまうことは変わらず、寝返りを打ったときにジャックが外れて大音量がスピーカーから出ることもしばしば。


そんな親父の機嫌の良いときにタイミングを見てカセットデッキの必要性を説明し無理やり納得させた。


今度は最初から本命のカセットデッキのカタログを見せる。

メーカーカタログの他、レコパルなどの雑誌を読みあさり、Listen 2000と同じメーカー、SONYのTC-K7を選んだ。(後に7シリーズは名機と呼ばれた)


意外にもあっさりと買ってもらえることになる。

ちなみに買ってもらった時期はやはり夏の終わりだった。

レコパル

母親にレコードを注文してもらったことはとってもありがたい。
しかし、いくら聴きたい音楽ジャンルが決まっていなくても、イージーリスニングばかり聴いているのも・・・


当時、エアチェックが静かなブーム?で、本屋に並んでいたのがFM放送2週間分の番組表を掲載した情報雑誌。

そのなかで、FMレコパルは、目を引くイラスト、番組表も見やすかった。時々掲載される技術情報も興味があった。

番組はもちろん新聞で確認できるが、当日分のみ。

それが2週間先までわかる。これは画期的だった。

以降、レコパルは数年にわたり購読することとなる。


しかし、田舎で受信出来るのは、NHK-FMがやっと。

アンテナもステレオに付属していたフィーダーアンテナではうまく受信できない。

指向性は8の字となるため、仮に放送局(田舎では中継局)をとらえても反対側にも指向性があるため、田舎のように山に囲まれた盆地では、山の反射まで受信してしまう。


普段は気づかないが、音声がないところではビート音のようなノイズが乗る。


自称オーディオファンとしての本当の試行錯誤はここから始まったと思う。

母親の気遣い

聴く音楽もなくなんとも寂しい状態だったが・・・
母親が何か荷物を持ってきた。
中を開けると、レコードが入っていた。
母親の話では、せっかくステレオを買ったのにレコードがないんじゃ・・・
たまたま新聞の折り込み広告で見かけたもので、月々1000円くらいでレコードが10枚近く送られてくるとか。当時、LP盤が2000円程度だったことを考えるとお得である。


送られてくるレコードは、イージーリスニング。
ポール・モーリアなど聴いたことあるなぁって曲が中心。
マジック・手品などのバックで流れるあの曲である。


ステレオラックの一番下は、棚になっていてそこにレコードが置ける。
殺風景な棚の中が少しだけにぎやかになった。


もっと色々な音楽を聴いてみたい。

音楽を聴くということは、大変なことなんだなぁ。