自称オーディオファンの備忘録

オーディオが好きなおっさんのいろいろな話

聞きたい音楽は?

親父と出かけた数日後、自分の部屋にListen 2000が設置された。
今なら、自分で設置・結線はできるが当時の中学生には無理だった。
納品と開梱、設置と結線を業者の人が行ってくれた。
約1時間で引き渡しとなった。夢にまで見たステレオが今目の前にある。
それも自分の部屋。学習机の横に本棚があって、その隣にListen 2000がある。


機器の構成は上から・・・プリメインアンプ、FM/AMステレオチューナー、ひとつ空いてレコードプレーヤー。両サイドにスピーカー。
プリメインアンプの横にはタイマーを置いてある。
・・・カセットデッキはオプションのため購入していなかった。


とりあえず、何か聞こうと思ったが・・・音楽ソースがない・・・
思い出して取り出したのが、以前買ったドーナツ盤、つまりシングルレコード。
袋から取り出しターンテーブルに乗せる。ドーナツ盤だから、アダプタが必要。


回転数を45回転に合わせて、トーンアームをレコード盤の外周に合わせてリフターを操作して・・・
ボリュームを徐々に上げていく・・・聞こえてきたのは、森田健作の「さらば涙と言おう」


・・・他にないのか?


翌日、電気屋さんに行って、3.5mmモノラルとステレオピンジャックの接続ケーブルを購入。このケーブルでSTUDIO 1900とListen 2000を接続できた。


・・・カセットテープの音楽を聴けるようにはなったが・・・モノラルの上、音が悪い。


なんとも前途多難である。

Listenシリーズ

自宅は店舗兼住宅で、父親と母親で観光客相手のそば屋を営んでいた。

観光客が大勢訪れる春から夏、特に夏休みの時期は一年の大半を売り上げる商売だった。

子供の頃からそれを見てきたため、自然と大きな買い物は、夏直後が良いと考えていた。


中学二年の夏、父親の前で例のカタログを開いた。

さりげなくだが、割りとしつこく。

とうとう父親からこんな風に声をかけられた。

「なんだ?ステレオが欲しいのか?」


親父は同じお金を出すのなら少しでも良いものを、そして後で後悔しないように、少しでも高いものを選ぶ性格。


カタログには、Listen 1000と2000のラインナップ。

当然シリーズ上位の2000の方が高額だが、あえて俺は1000を指差した。

「・・・これが良いと思うんだけど。。。」


親父は

「安い方で良いのか?こっちじゃダメか?」

そう言って2000の方を指差す。

「だって高いから。。。」

「こっちの高い方にしろ!その代わり俺も使うぞ!」


数日後、親父とソニーショップに出掛けた。


そんな親父は、去年他界した。

親父、ごめんなさい。.

カタログ集め

自分の田舎は、観光地ではあったが山奥の町。

市内にある電気屋さんは、家電中心で音響機器をメインで扱うような店はなかった。

むしろレコード店の方が音響機器を扱っている感じがした。


しかし、カタログはいろいろなメーカーのものを入手できた。今なら、パソコンやスマホでいくらでも情報収集は可能だが、当時はカタログ、雑誌、専門書くらいしか方法がなかった。


そんな中、商店街にあるソニーショップがわずかだが現品が置いてあった。何よりSTUDIO 1900でお世話になった店。店員さんとも顔馴染みだった。


カタログをもらうついでに色々と話が聞けた。と言ってもSONY製品のみだが。


当然、SONY製品に詳しくなり自然とSONY一択となっていった。Listenシリーズが発売された頃でターゲットはそれしかなかった。


毎日のようにカタログを開き自分の部屋に置かれることを夢見る毎日となった。